継続はタカラ。

九州出張のレポートの追加。
雄大な阿蘇を横にしながら移動をしていく中
立ち寄ったお店でいただいてきたパンフレット。

A4サイズの表紙の下半分が、雄大に広がる阿蘇の草原。
真ん中には、横に伸びる阿蘇の山。
上半分が晴れた空。
その空をバックに、スミ文字で縦書きのコピー。

  継続はタカラ。

紙質は優しい風合いで、写真がきれいです。
落ち着いたトーンでスッキリ。

2013年に認定された、世界農業遺産『阿蘇の草原の維持と持続的農業』を紹介したパンフレットです。



IMG_20140522_114132


正式に、『世界農業遺産』とは。
Globally Important Agricultural Heritage Systems(GIAHS(ジアス)、
世界重要農業遺産システム。
国際連合食糧農業機関(FAO、本部イタリア・ローマ)が 2002年に開始した開発した仕組みで、
次世代に受け継がれるべき重要な伝統的農業(林業、水産業を含む)や
生物多様性、伝統知識、農村文化、農業景観などを全体として認定し、
その保全と持続的な活用を図るものです。

『過去の遺産』でなく、さまざまな環境の変化に適応しながら進化を続ける、
『生きている遺産』と言われています。

GLAHSの事例として 世界農業遺産認定サイト(2014年2月現在)より
1 日本 トキと共生する佐渡の里山
2 日本 能登の里山里海
3 日本 静岡の茶草場農法
4 日本 阿蘇の草原の維持と持続的農業
5 日本 クヌギ林とため池がつなぐ 国東半島・宇佐の農林水産循環
6 フィリピン イフガオの棚田
7 中国 水田養魚鵜
8 中国 会稽山の古代中国カヤ林
9 中国 アオハンの乾燥地農業
10 中国 宣化のぶどう栽培の都市農業遺産
11 中国 万年の伝統稲作
12 中国 トン族の稲作・養魚・養鴨
13 中国 ハニ族の棚田
14 中国 プーアルの伝統的農業
15 インド 海抜下でのクッタナド農業システム
16 インド コラプット伝統農業
17 インド カシミールのサフラン農業
18・19 タンザニア・ケニア マサイ族の牧畜
20 タンザニア アグロフォレストリー
21・22 チュニジア・アンジェリア マグリブのオアシス
23 モロッコ アトラス山脈のオアシス
24 ペルー アンデス農法
25 チリ チロエ農業

阿蘇は温暖湿潤な気候のため、放っておくとすぐに、ヤブ化してしまいます。
草原の維持には野焼きなどの人の手入れが必要です。
阿蘇の農業システムでは、草資源の多様な活用がポイント。
世界的に見ても、草資源は放牧や家畜の飼料のみに使われることがほとんどですが、
阿蘇はそれ以外に、田畑にすき込んだり、野草堆肥をつくったり、
茅葺き屋根の材料や燃料として利用。
農業システムの中心となる存在として利用されてきました。

阿蘇の野焼きの炎は地面をサッと焼くため、表面のみ温度が上がり、
土中の植物の種や昆虫に影響が出ません。
人々の農業活動により草原環境が維持されたため、
絶滅危惧種を含む数多くの草原性植物や、昆虫・小動物の宝庫。
阿蘇の農業は、草花を千年以上も守り続けてきました。

その価値、国連食糧農業機関の認定5つ。
1 阿蘇の持続的な草原管理システム
2 多様な農林産物
  農業(稲作・夏季冷涼な気候を活かした野菜や花)
  畜産業(褐毛和種(あか牛)をはじめとした繁殖経営)
  林業(スギやヒノキからなる人工林『小国杉』は全国的ブランド
  ヒノキお推し木品種『南郷檜』)
3 生物多様性と生態系機能
  (ハナコブシ・ヒゴタイ)
4 優れた景観と水の恵み
5 農業と関わりの深い伝統文化
  (阿蘇神社・国造神社を中心とした農耕祭事は、国の無形民俗文化財に指定)


さて、『阿蘇の草原の維持と持続的農業』が世界農業遺産に認定された、同年
静岡も負けていません!!
『静岡の茶草場農法』も世界農業遺産に認定。
『静岡の茶草場農法』のことは、改めますが・・・・

おかげさまで、今年も静岡新茶の出来は、とてもいいようです。



A4サイズの『阿蘇の草原の維持と持続的農業』のパンフレットの最終ページには、
阿蘇の俯瞰写真をさらに、広域に。
真っ青な空に、白ヌキの文字で

  タカラを未来へ。

と、締めくくっています。

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