週に一回の大切な時間

本日、書道のお稽古日。

またまた、作品を持たずに お稽古に。
なかなか、落ち着いて書くことができず、毎週 お稽古日を迎えてしまいます。
今回は さすがにいけないと、お道具持参。

十年も、二十年も、三十年も上の ベテランさんの中で書くのは、かなりのプレッシャー。
けれど、家で書いていると 知らずにできている癖を改めて直され、
お道具の使い方も確認され、
先生の前で書く緊張感は、上手くなる近道なのかもしれない。

一方で、『静岡県芸術祭』の出品作品づくりがはじまりました。
出品する方々は、近代詩文書 や 種田山頭火の句 など、何を書くのか?
何種使うのか? 何文字書くのか?
これが、作品づくりの命。
さらに、どこ産の紙を使うのか? 何年寝かした紙を使うのか? 何色の紙を使うのか?
様々なことを考慮して、一枚の作品をつくりあげます。

それぞれを 考えていくことは大変な作業ですが
もう一つ大変な作業として、行草書でいくのか? 行書でいくのか? と
どの書体でいくか を 一文字、一文字、古典より採録した『五體字類』で 選ぶこと。
これによって、作品の “表情” が 決まります。
  godairui

そして、六畳ほどの下敷きが敷かれ、大きな作品の見本が書かれます。
100以上の漢字を書き上げるのは、30分以上かかります。
シーンとしたお稽古場には、紙を這う筆の音 と 先生の指導の声 のみが響き、
筆の動き と 文字 をジッと追い続けます。
息を吸うことを忘れるほどに、最後の『落款』まで見守り続けるので、息苦しくなります・・・・・
予定されていた文字は、紙の中にズバリ納まります。
これは、もちろん 書道家 先生 の職人技。
書く文字の数、詩の景色を考え、墨入れする前に 全体の構図を頭の中で瞬時に想像するそうです。

この 30分文字を書き続ける行為、精神的にも体力的にも、本当に大変な作業です。

例えば、先生にロゴになる『書』をお願いした場合では、
100以上の作品を書いた中の1作品になるそうですから、さらに大変です。

これからしばらく、静岡県芸術祭用の指導がはじまるので
緊張感で ピリピリの お稽古になりそうです。

やはり このような 超緊張感、週に一回の大切な時間です。

書道家 金山土洲
http://doshu-kanayama.com/

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