大井川葛布

大井川葛布工房を訪問しました。
職人さんは、村井龍彦さん。お話をお伺いできました。

葛は、日本に自生する豆科の多年草。
秋の七草で、根茎からは葛粉、葛根湯が採れ、葉は家畜のえさになります。
秋には紫色の花が咲き、葛花湯として漢方薬にもなります。

葛布の歴史は大変古く、中国では新石器時代の出土が確認され、
日本でも古墳時代のものが発掘されています。
平安時代には、帰属の装束として延喜式に定められました。
江戸期には武士の陣羽織、火事羽織、袴、道中着などに。
明治維新後は、需要がなくなった葛布は、ふすま紙、壁紙に活路を見いだしました。

海外でもグロスクロスとして評価が高まりました。
戦後、『静岡葛布』は輸入用の葛布壁紙を制作。
アメリカ大統領府ホワイトハウスに貼られ、
アイゼンハワー元大統領の邸宅や欧米のVIPの館に多く使われているそうです。

昭和40年代、円高の影響や原料の葛糸の入手困難で、
輸出壁紙の需要は大きく減退し、多くの葛布業者が廃業する中、
訪問した工房では、葛布襖紙を作り続け、
平成8年から江戸時代の衣服に使われた葛布の再現を目指して
『大井川葛布』ブランドをつくります。

今回一緒にお話を伺った建築会社さまは、
地域の伝統工芸を積極的に取り込んで、家づくりをしています。

家づくりは、地域づくり。

地域からエネルギーをいただいて同じ時代を生き、創業から今年107年目を迎えます。


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お伺いした時には、八寸と九寸の帯を織っているところでした。
色も、扱い方も、繊細です。
コースターなどの小物もいいけれど、反物など幅広で使う方が
葛布、独特の光沢と輝き、撓う感じが魅力的!!
照明シェード や 暖簾 にもふさわしいのもそのおかげかもしれません。

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村井龍彦さんは、明日からアメリカへ『大井川葛布』のPRに向かうそうです。
海外で評価されていくのも必要ですが、
日本でもっと、もっと需要が伸びていくことを期待します。

大井川葛布

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